安祥寺納骨堂
2018
鹿児島県肝属郡東串良
17年前に建設した第1納骨堂の使用状況が満杯となり、また、過疎化・少子高齢化・鹿児島特有の桜島の降灰による悩みにより墓地管理が行き届かなくり、第2納骨堂の必要性を門信徒から多数要望があり、計画に至った。17年前、住職及び設計者も50・60代でしたが、月日が経ち現在両者共次の世代に受け継ぐ時期となり、本堂及び第1納骨堂の歴史や、代々受け継がれてきた仏法などを次の世代へ導き、敬遠されがちな若い世代でもまずは気軽にお参りに来れ、お寺との関りが持てる建物と新たな歴史作りをテーマとした。御住職の要望は、お寺の存在感を示し地域のシンボルとなる建物、東風の強風に考慮した建物、270基以上の納骨壇の収容である。配置計画は、道路を挟んで両方の納骨堂がそびえ立つことで存在感を示した。第1納骨堂は方形屋根、木縦格子を取り入れたデザインで、第2納骨堂は玄関・礼拝堂・休憩室部分の建物高さを8mと高くし、方形屋根及び150角柱で第1納骨堂のデザインを受け継ぎながらも新たなデザインとし、地域のシンボル的な建物とした。建物内部は、納骨壇が収まっても圧迫感を感じさせないゆとりある通路、高い天井及び鉄骨と木ルーバーの融合で温かみを演出し、高窓からの採光を取り入れることで明るい室内とし若い世代にもお参りに来やすい空間作りとした。
撮影 ©Fujinari Miyazaki / Contrast